「無理はするなよ」
「うん」
茜は最近ではごはんも食べられるようになり、健康状態も悪くはない。
「行ってらっしゃい」
茜の言葉に司は茜の頬にキスをすると
「行ってきます」
と出かけて行った。

その後ろ姿を見つめながら茜は改めて司の存在の大きさを感じていた。

少しの時間でも離れていると寂しく感じるようになってしまった。
でも、必ず司は帰ってくる。
そうわかっているからこそ。司の帰りを楽しみに待つことができていた。

「よしっ!」
茜は気合を入れると再び庭の手入れを始めた。
「あ・・・」
急に思い立った茜は泥のついた服のまま、庭園を駆け出して行った。