「朝陽!」
嬉しそうに自分の元へかけてくる理恵に朝陽は思わず笑顔になる。
「ごめんな」「ごめん」
お互い同時に謝り、二人同時に笑う。

「緊急の呼び出しだったの。これから帰るところ。明日は午後出勤に変わったの。」
「そっか。俺は緊急の手術が入ったけど今落ち着いてる。」
「ごめんね。ここで待ってたら呼び出されて。」
「いいんだ。」
「それと、今日、私を探してたんでしょ?ごめんね。自分のことばっかりで朝陽の話を聞かないまま」
「いいんだよ。」
朝陽は理恵の話の途中で声をかける。

その表情は優しく微笑んでいる。

「でも」
「いいんだよ」
朝陽はそう言ってポケットから小さな箱を出した。
「メリークリスマス。」
「私、家に・・・」
「いいから」
「開けていい?」
「もちろん」
理恵が箱を開けるとそこには理恵の好みの指輪が入っていた。
「ありがとう」
理恵が耳まで赤くなる。朝陽はそんな理恵の頬にそっと口づけをした。