そして少ししてから匡祐は涙を流している千晃の体を慎重に抱き寄せた。
「本当に?」
「うん」
「本当なのか?」
「うん。病院に行ったら2か月だって。」
匡祐は千晃の体を少し離して千晃の顔を見る。
その頬を伝う涙を手で拭い唇にキスをした。

事故に遭った千晃。子供を妊娠することは奇跡に近いことだといわれていた。

言葉にはしなくても二人は子供のことをあきらめていた。

「大切にしような。」
「うん。」
「ありがとう。千晃。」
「うん。ありがとう。」
「愛してる。」
「私も愛してる。」
幸せな奇跡をかみしめながら二人はクリスマスを過ごした。
「人生最高のプレゼントだよ。」
と匡祐は微笑みながら千晃の体を抱きしめて離さなかった。