「なに?」
千晃が小さな箱を匡祐に渡す。

匡祐はかわいらしいリボンのついている箱を丁寧に開けた。
その間に千晃はもう一度匡祐の隣に座った。

匡祐は箱を開けて一瞬体を硬直させた。

時が止まったかのように目を見開き箱の中を見つめる。

その瞳が潤いを増してキャンドルの光が反射してきらきらと光った。

そんな匡祐の表情を見て千晃の瞳もみるみるうちに潤み始める。


箱の中に入っていたのは一枚の白黒の写真だった。
本物を見るのははじめてでも、匡祐にはすぐにその写真が意味することが分かった。