【大浦side】

…うう…お腹痛い…

「ちょっと、こっこ。大丈夫?」

真帆が心配そうに私の顔を覗き込む。

私は友達から「こっこ」と呼ばれている。小さい時から…なんて説明している余裕はない。

朝からお腹が痛くて死にそうなのだ。

「生理じゃないんでしょ?」

「違う…と思う…つい最近終わったし…」

「やっぱ保健室行きな。先生に言っとくから」

「そうする…ごめん…」

受験生だからあまり授業は休みたくないけど、今から始まる5時間目以降は受験に使わない理系科目なので良しとしよう。