話に花が咲きかけた私を、ワトソン先生が苦笑しながら見つめる。私たちが今話しているのは当然日本語。ワトソン先生が苦笑するのも当たり前。

「すみません。幼なじみなんです」

私は慌てて園子ちゃんを紹介する。ワトソン先生を紹介した時、園子ちゃんの目は輝いていた。イケメンが大好きだからね。ワトソン先生は可愛い系の顔立ちだ。

「園子ちゃん、どうしてここに来たの?」

私が疑問をぶつけると、園子ちゃんはパンフレットを取り出す。それは大英博物館のパンフレットだった。

「自分へのご褒美でイギリスに来たんだ。その時に、和香ちゃんがこの国にいるってことを思い出したんだよ。どこの診療所で働いてるのか聞こうと思ったんだけど、一発で見つかるとは……」

「奇跡だよね。今からどうするの?」

「まだ和香ちゃんは仕事でしょ?今からグリーンパークでもブラブラしてホテルに行こうかなって」

「そっか。じゃあ、また休みの日にロンドンを案内するよ」