「熱がありますね。薬を出しておきます」

「今日はどうされましたか?」

「怪我の回復は順調ですね」

「次はこの日に来てください」

テキパキとワトソン先生と治療にあたる。どんなに忙しくても、ワトソン先生は笑顔を絶やさない。ワトソン先生から見習わないといけないことはたくさんある。

「……とりあえず、ひと段落だね」

午前中の診療が終わり、ワトソン先生が微笑む。私も「お疲れ様です」と微笑んだ。今から一時間ほどお昼休憩の時間だ。

お弁当を出し、ワトソン先生と向かい合って座る。ちなみに、ワトソン先生のお昼も私が作った。

「いただきます」

私は手を合わせ、卵焼きを口の中へ入れた。おいしくできている。

「おいしい!いいな〜、和香は料理ができて……」

「コツを掴めば簡単ですよ」

料理を褒めてもらえると嬉しい。私は、料理以外では役に立てない。事件現場にワトソン先生は行ってホームズさんの相棒を務めているけど、私は危険だからお留守番だし、できることをして二人を支えたい。