「おっはよ〜……」

あくびをしながらリビングに園子ちゃんが入ってくる。私は「おはよう！」と日本語で返した。

「んん〜……。ゆっくり寝れた〜……」

「それはよかった。今、朝ご飯作るからね」

「は〜い」

園子ちゃんは少し寝ぼけているようで、ワトソン先生とホームズさんの姿が見えていないみたいだ。イケメン二人の前でも寝癖のついた髪でうろついている。

「おはようございます。疲れは取れましたか？」

優しく微笑みワトソン先生が声をかけると、園子ちゃんの目はだんだん覚めたようだ。部屋に悲鳴に似た声が響き渡る。

「やっだ〜！！私、こんなだらしない格好で！！」

そう言い着替えようと部屋に戻ろうとする園子ちゃんの手を、ホームズさんが素早く掴む。そして園子ちゃんを観察し始めた。

「へっ！？えっと……あなたは……？」

顔を赤くする園子ちゃんの問いかけには答えず、ホームズさんは園子ちゃんを見つめ続ける。そして、口を開いた。

「あなた、イギリスに来る前に西アフリカにいましたか？」