「…なに?」
廊下はいつもより人気がない。
外はどんよりと曇って、雨が降りそうだ。
でも、今はそんなこと、どうでもいい。
「私、蒼生とよく喋るようになってさ、だから心咲には感謝してるの。だって、心咲のおかげで蒼生のこと初めて知ったわけだし。
だけどさ、だからこそ…かな?心咲に嘘をつくのはムリ。正直に言おうと思うの」
なんだろう。
すごく、怖い。
「蒼生、今までずっと言えなかったんだって…まぁ無理もないよね、私も蒼生の立場だったら、絶対悩む自信あるもん!」
嫌だ。
聞きたくない。
「蒼生さ、心咲のこと…だいっきらいなんだって!」