『おはよ、心咲』
家を出ると、いつも通り君が立ってる。
眠たそうな顔をしてるけど、毎日『おはよう』って欠かさず言ってくれる。
そういう君が、私は好きだ。
まぁ…一度も言ったことないけど。
「うん、おはよう!蒼生」
私たちが通う高校は家から5分もあれば着いてしまう。
だけど、私たちはずっと一緒に学校まで歩く。
たぶん、それは私たちが“幼なじみ”だから。
私のこの気持ちを伝えてしまったら…
今みたいに隣にいるのはムリだろうし。
だから、私は幼なじみっていう立ち位置で満足してる。
ずっと、そう思ってる。