その稀少種は何かを探している素振りだった。
しかし少しして諦めたのか、近くにいたクラスメートに口を開く。
「このクラスの風紀委員って誰?」
「えっ、あーえっと……」
「稀少種が喋ったああぁ…!」
「風紀…って、あっ、私ですっ」
聞かれた生徒がいきなりのことに困惑して、隣で光が叫ぶのを横目に慌てて立ち上がる。
すると目があって、こいこいと手招きされる。
それを見てまた横で光が叫んだ。
…これちゃんと生きてるかな。
それを捨て置いて私はなぜか周囲の注目を一身に受け先輩の前へ。
彼は口許にわずかな笑みを浮かべていた。
「これ、今風紀委員に配ってるんだけど」
そう言ってこれまた綺麗な指がぴらりと出された一枚の紙を示す。
そこには『全校服装点検実施について』の文言。
「服装点検…」
「そ、来週やるんだって。
今年は風紀も頑張って活動するらしいから、その手始めとして」
「はぁ……」
今年はって……、風紀って毎年ちゃんとしないといけないものなんじゃないのか。
なんて、まさか口に出すこともできずとりあえず殊勝にうなずいて見せた。
そんな私に先輩は苦笑いした。
「風紀は毎年ちゃんとするべきものなんだけどね。
まぁ、それはさておき」
「………」
「それに伴って今週の金曜に集まりがあるから、忘れないように、っていう連絡ね」
さらりと爽やかに私の気持ちを代弁してくれた先輩に私はまた表面上真面目に「わかりました」と頷いた。
そしてそれまで先輩が持ってくれていた紙をそのまま手渡される。
加えて「もう一枚」と同じ紙を手渡され、「え?」と首をかしげた。
