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「ふみ!あんた今日私からって嘘ついたな!」

「んーなんのことー?」

「んぁ~棒読みぃ~!!」



いきり立つ光に適当に返して卵焼きを口に放り込む。

うん。我ながら良い出来。



光が言っているのはさっきの4限の英語の話だ。
私が話を逸らしたくて適当に言ったこと。

別に当たらなかったら当たらなかったでいいじゃない。
それにあれは必要措置だったんだから仕方ない。



「ちょっとふみ!聞いてる!?」

「うるさいよ光。
昼休みだからってそんな叫んでたら迷惑でしょ」

「誰のせいだぁっ!」

「私のせいではないでしょ?
当たる日でも当たらない日でも関係なく、ちゃんと予習してたら焦ることはありません」



そう教師然として私が諭すと、光はうっと言葉をつまらせた。

それに笑い返して、タコさんを逆さにして花のように詰めたウインナーをつまみ、ご飯と一緒に口に入れる。



そんな私を見て光は反論が浮かばないのか、地団駄を踏んでどかっと私の席に持ってきた椅子に腰かけた。
「う~~」と悔しげにこちらを睨んでくるけど、私はさらりと受け流した。



「早く食べないと昼休み終わっちゃうよ?
今日は何持ってきたの?」

「………………今日はぁ、」



光といると、たまに子守りをしているような気分になる。
まるでふてくされた子供のような光の顔に思わず苦笑がこぼれた。

ころころとよく変わる表情は見ていて楽しいけれど。