先輩らしくしたいだけ。



あれは一体なんだったんだろう…。


私は教室に戻ると数学の授業中もさっきのことを思い出していた。



授業にも全く集中できない。


泉くんの様子もいつもと違ったし、私までなんか調子が狂っちゃったし。



「…小春っ!」



しかも泉くんの一人称もいつもは″僕″って言うのに″俺″って言ってたし。



あー、ダメだ!思い出すだけで顔に熱が集まってくる。




「小春っ!」



よし!さっきのことはやっぱわすれよう!




「小春ってば!」


「ん?何?」



横を見ると夏美が必死に私に呼びかけていた。



「小春当たってるよ!」



慌てて前を見ると先生が私を睨んでいる。


しかも怒らせたら結構怖い先生だ。



サッと顔が青ざめる。




「楠木。…俺の授業がそんなにつまらないか。」



明らかに怒ってるよー!



「えっと、そうではなくて…」



「ボーとしてた楠木には放課後雑用をしてもらうからな」



えぇ!そんなぁ。



でも、断る権利もなく私はただ分かりましたと言うほかなかった…。



夏美を見ると口パクでどんまいと言われてしまった。