先輩らしくしたいだけ。



どうしてこんなにも書くのに詰まっているのか原因は私が1番よくわかっていた。






それは私が恋愛をしたことがないということだ。





私は今まで男の人をかっこいいと思うことはあっても好きになったことがない。






だからいくら考えても胸キュンな場面を書くことができないのだ。







うーん、だめだ。思い浮かばない。







一度原稿用紙とにらめっこしたものの、全然進まない。








「ねー、先輩。」







私が頭を悩ませていると泉くんが私に声をかけた。






「ん?どうしたの?」







そう言って泉くんを見ると、さっきまで座っていたのにいつのまにか立って私のすぐそばにいた。






さっきは泉くんが私を見上げていたけど今では逆になっている。






私が聞くと泉くんは少し口角をあげて私に言った。






「先輩恋愛小説書いてるんですね。でもその様子だとうまく書けてないみたいですね。」







見ると泉くんの手元には私の原稿があった。







「そ、それ読んだの!?」







顔が一気に熱くなる。








恋愛小説を書いているのを
知られるなんて顔から火が出そうなくらい恥ずかしい。








しかもよりにもよって後輩に。









「先輩。僕が恋愛について教えてあげましょーか?少なくとも先輩よりは恋愛経験豊富だと思いますけど。」