風がふたりの間を通り抜けた


先生がコーラの氷をカラカラ鳴らした


私はタピオカが喉を通らなくて
ミルクティーだけ啜った




深呼吸して、言った

「…ただ、好きだって気持ちでは
付き合えないの?

私は、先生と、付き合ってみたい…
先生の、彼女になりたい…

先生のこと好きだから…

付き合ったこととかないから
どーなのかわからないけど…

先生と付き合ったら、今と何か変わる?」

自分の気持ちを初めて先生に言った



先生はうつ向いたまま優しい笑顔をつくった

「オマエが20(はたち)なったら、
オレ、30だよ…いいの?

オレと付き合ったら
まず、先生って呼べなくなる

あと、手とか繋ぐかも

あと、会える日は会いたいかも

あと、あと、、、大切にする…」


先生が私の目を見た



私は
息が止まりそうなのに
心臓の音は大きく鳴ってる



「紅、好き…
オレの彼女になって…」


隣にいる先生から
そう聞こえてきた



私は黙って頷いた



どおしたらいいかわからない私の肩を
先生はギュッと抱き寄せた



心地いい風が私達を包んだ