パパが来て
先に瞬とビールを飲み始めた
瞬、緊張してるな…
前よりもビールのペースが遅かった
「遠慮しないで飲んで」
パパに言われてた
お兄ちゃんが来て
みんなで鍋を食べ始めた
話題は
お兄ちゃんは今年大学受験で
最後の仕上げを瞬くんに頼みたいわ
ってママが言った
パパが
仕事してるんだから
そんな暇ないだろ
とママに言った
仕事の調子はどんな?
パパが聞いた
そんなやり取りで
瞬、いつ言うんだろ…
私も緊張してきた
「しばらくは転勤ないの?」
パパが聞いた
「しばらくは…
でも、もし次に転勤があった時は
紅も一緒に連れて行っていいですか?」
瞬が言った
みんなの箸が止まった
鍋の湯気だけが上に上がってく
「紅と…紅さんと
結婚前提に付き合ってます
紅が高校卒業したら
改めて、また挨拶に来るつもりです
許していただけますか?」
パパとママが顔を見合わせた
「…紅でよかったら‥
転勤でも、海外でも、どこでも連れてって」
「瞬くんなら、私達も安心だわ
ずっとお弁当で花嫁修業してたの、この子」
パパもママも賛成してくれた
お兄ちゃんは
自分の受験のことで精一杯みたい
「ありがとうございます」
私も瞬もホッとした



