私も立ち去ろうとした時。
「…あの…」
「…」
そう言えば忘れかけてた。
いたんだったな。
「白井さん…」
「大丈夫?相川さん。」
…大丈夫なわけないよねえ…
全身泥まみれだもんねえ。
傷だらけじゃん。
私は相川千星を支えて立ち上がらせ、保健室に向かう。
「あの、白井さん!」
「何?」
「制服、汚れちゃう…綺麗なのに…」
…ああ、気づいてないだけか。
気づいてないだけで本当は汚れまくってんだけどね。
「気にしないで。
歩ける?」
「…大丈夫…」
相川千星はフラフラになりながらゆっくり歩いていく。
虎に荷物は預けたし、多分先生にも言っといてくれてんだろ。
言ってなかったらはっ倒す。
「…でも、私が保健室に行ったところで手当してくれないよ…」
…あー、そっか。
嵐王の傘下だもんな。
まあこの学園運営してるの私の親だから権力でなんとでもなるけどね。
「大丈夫よ。」
保健室の扉を開ける。
…保健医…いないのか。
またあの数学教師とイチャコラしてんのか。
仕事放棄しすぎだろ。
「…ここ座ってね。」
椅子に相川千星を座らせて私はガーゼとテープと消毒…
色んなものを拝借した。
「ちょっと染みるかも。」
消毒液をガーゼに染み込ませて傷口を消毒。
痛そうな顔はしたものの、お構いなく手当を続ける。
顔と体の手当を済ませて私は返却に向かう。
「…白井さん…ありがとう。」
「気にしないで。」
「白井さんさえ良ければ本当に友達になって欲しい…」
…どーすっか…
あー言ってしまった以上、関わらないのはやべえよな…
仕方ない。フリだけでも友達しとくか。
…どーすんだ、友達って。
「友達になりましょうか。」
とりあえず笑顔見せときゃいいんか?
「…白井さんの笑顔って…なんか嘘くさい…」
相川千星は慌てて口を押さえた。
「…そう?」
…正直驚きでいっぱいだ。
今まで生きてきて、バレたことねえのに。
「ごめんなさい!気悪くしちゃったかな…?」
…まあ悪気はなかったんだろうね。
見てたらわかるよ。
嘘つけない人間だもんね。
「そんなことないよ。もう少し仲良くなったら教えてあげる。」
私は軽く笑って相川千星を支えてクラスまで戻る。
同じクラスでよかった。
違うクラスだったら関わらなかったもんなあ。
「…白井さん、ありがとう。」
屈託のない笑顔。
こんな笑顔を作れる彼女が…裏切った?
…ちょっと調べてみるか…
「白井さんご苦労さま。」
「当然のことをしただけですよ、先生。」
嵐王…
帰ったら徹底的に調べあげてみるか。
【大神狼side END】
【大神虎side】
家に帰ってきてから狼は部屋に閉じこもった。
軽く扉を叩いてみたけど応答無し。
なんかに熱中…って訳ではなさそう。
「…あの…」
「…」
そう言えば忘れかけてた。
いたんだったな。
「白井さん…」
「大丈夫?相川さん。」
…大丈夫なわけないよねえ…
全身泥まみれだもんねえ。
傷だらけじゃん。
私は相川千星を支えて立ち上がらせ、保健室に向かう。
「あの、白井さん!」
「何?」
「制服、汚れちゃう…綺麗なのに…」
…ああ、気づいてないだけか。
気づいてないだけで本当は汚れまくってんだけどね。
「気にしないで。
歩ける?」
「…大丈夫…」
相川千星はフラフラになりながらゆっくり歩いていく。
虎に荷物は預けたし、多分先生にも言っといてくれてんだろ。
言ってなかったらはっ倒す。
「…でも、私が保健室に行ったところで手当してくれないよ…」
…あー、そっか。
嵐王の傘下だもんな。
まあこの学園運営してるの私の親だから権力でなんとでもなるけどね。
「大丈夫よ。」
保健室の扉を開ける。
…保健医…いないのか。
またあの数学教師とイチャコラしてんのか。
仕事放棄しすぎだろ。
「…ここ座ってね。」
椅子に相川千星を座らせて私はガーゼとテープと消毒…
色んなものを拝借した。
「ちょっと染みるかも。」
消毒液をガーゼに染み込ませて傷口を消毒。
痛そうな顔はしたものの、お構いなく手当を続ける。
顔と体の手当を済ませて私は返却に向かう。
「…白井さん…ありがとう。」
「気にしないで。」
「白井さんさえ良ければ本当に友達になって欲しい…」
…どーすっか…
あー言ってしまった以上、関わらないのはやべえよな…
仕方ない。フリだけでも友達しとくか。
…どーすんだ、友達って。
「友達になりましょうか。」
とりあえず笑顔見せときゃいいんか?
「…白井さんの笑顔って…なんか嘘くさい…」
相川千星は慌てて口を押さえた。
「…そう?」
…正直驚きでいっぱいだ。
今まで生きてきて、バレたことねえのに。
「ごめんなさい!気悪くしちゃったかな…?」
…まあ悪気はなかったんだろうね。
見てたらわかるよ。
嘘つけない人間だもんね。
「そんなことないよ。もう少し仲良くなったら教えてあげる。」
私は軽く笑って相川千星を支えてクラスまで戻る。
同じクラスでよかった。
違うクラスだったら関わらなかったもんなあ。
「…白井さん、ありがとう。」
屈託のない笑顔。
こんな笑顔を作れる彼女が…裏切った?
…ちょっと調べてみるか…
「白井さんご苦労さま。」
「当然のことをしただけですよ、先生。」
嵐王…
帰ったら徹底的に調べあげてみるか。
【大神狼side END】
【大神虎side】
家に帰ってきてから狼は部屋に閉じこもった。
軽く扉を叩いてみたけど応答無し。
なんかに熱中…って訳ではなさそう。



