「……九十九さん、もうすぐだけど……大丈夫?」
「大丈夫に見える?」
「っすよねー」
飛行機は無事羽田空港へ到着し、電車に揺られているうちにとうとう横浜駅まで一駅となった。
「おい二人とも疲れてんのはわかるけどもうつくから今から寝るな。雅裕、バナナのやつ潰れかけてる」
寝落ちしそうな雅裕と博貴に声をかけ、もう一度九十九さんを見る。
具合は悪くなさそうだが、不安そうだ。
「……大丈夫、俺が居るから」
そう声をかけると、九十九さんは不安そうな顔のまま、黙って小さく頷いた。
電車が、駅に着いた。
「おーやっぱ人多いな」
「正月明けだし帰宅ラッシュでしょ」
「楽器気を付けろよ」
お店も混んでいそうだったので、博貴家にお邪魔して鍋パーティーをすることになった。
バスに乗り、博貴の家近くのスーパーで材料やらお菓子を大量に買い、歩いて向かう。
「ただいま」
「お邪魔しまーす」
「絵流ちゃんただいまー!」
「ゆづくんだけ置いてって。ゆづくんいらっしゃ……え、誰この美少年!? え、絶対派手髪似合う!! ドールみたい!!」
その少女が玄関に現れた途端、俺は苦笑いを浮かべた。
九十九さんは混乱している。
「絵流、鍋パするから準備手伝って」
「なんで私が。博貴やんなよ」
「俺もやるって」
「君綺麗だねー、名前は?」
「えっと……」
絵流。そう呼ばれた少女が九十九さんに詰め寄る。
九十九さんは警戒しているようで、必死に言葉を探していた。
「九十九さん、この子は椹木絵流ちゃんっていって、博貴の妹なんだ」
「え?」
「そんで俺の彼女」
「黙れチャラ男豚と付き合ってろ」
「豚さん結構かわいいからな!? 今とある界隈で人気だし……」
「聞いてない」
雅裕がいつものおふざけをすると、これまたいつものように絵流ちゃんが冷たく突き放す。
「ろきさんの……妹?」
「そう。双子のな」
「えー顔だけじゃなく声も綺麗! 九十九君っていうの? したの名前は?」
「……花蓮」
「かわいい名前だね!」
「一応体は女だから」
「ん?」
「女」
「いえす。ユア女子」
「しのさんのギターもらうから」
「ごめんなさいかわいくて美しいかっこいいジェンダーレス九十九様」
「大丈夫に見える?」
「っすよねー」
飛行機は無事羽田空港へ到着し、電車に揺られているうちにとうとう横浜駅まで一駅となった。
「おい二人とも疲れてんのはわかるけどもうつくから今から寝るな。雅裕、バナナのやつ潰れかけてる」
寝落ちしそうな雅裕と博貴に声をかけ、もう一度九十九さんを見る。
具合は悪くなさそうだが、不安そうだ。
「……大丈夫、俺が居るから」
そう声をかけると、九十九さんは不安そうな顔のまま、黙って小さく頷いた。
電車が、駅に着いた。
「おーやっぱ人多いな」
「正月明けだし帰宅ラッシュでしょ」
「楽器気を付けろよ」
お店も混んでいそうだったので、博貴家にお邪魔して鍋パーティーをすることになった。
バスに乗り、博貴の家近くのスーパーで材料やらお菓子を大量に買い、歩いて向かう。
「ただいま」
「お邪魔しまーす」
「絵流ちゃんただいまー!」
「ゆづくんだけ置いてって。ゆづくんいらっしゃ……え、誰この美少年!? え、絶対派手髪似合う!! ドールみたい!!」
その少女が玄関に現れた途端、俺は苦笑いを浮かべた。
九十九さんは混乱している。
「絵流、鍋パするから準備手伝って」
「なんで私が。博貴やんなよ」
「俺もやるって」
「君綺麗だねー、名前は?」
「えっと……」
絵流。そう呼ばれた少女が九十九さんに詰め寄る。
九十九さんは警戒しているようで、必死に言葉を探していた。
「九十九さん、この子は椹木絵流ちゃんっていって、博貴の妹なんだ」
「え?」
「そんで俺の彼女」
「黙れチャラ男豚と付き合ってろ」
「豚さん結構かわいいからな!? 今とある界隈で人気だし……」
「聞いてない」
雅裕がいつものおふざけをすると、これまたいつものように絵流ちゃんが冷たく突き放す。
「ろきさんの……妹?」
「そう。双子のな」
「えー顔だけじゃなく声も綺麗! 九十九君っていうの? したの名前は?」
「……花蓮」
「かわいい名前だね!」
「一応体は女だから」
「ん?」
「女」
「いえす。ユア女子」
「しのさんのギターもらうから」
「ごめんなさいかわいくて美しいかっこいいジェンダーレス九十九様」

