「ていうか俺らumbrellaさんは男だと思ってたんだけど」
「中性です」
「中性って声帯もそうなるわけ……?」
「umbrellaさん、アマチュアのときの生放送で高い声も出してたよな?」

顔を覗き込めば、うっすらと頬が赤く染まっていた。

「地声が、高くて、男に媚売ってる、って……」
「あーいじめられてたワケか」

びくっと九十九さんの肩が震えた。

「おい馬鹿」
「あ、悪い」
「ごめんなさいだろが」
「ごめんなさい!」
「九十九さん、ごめんな、うちのやつが馬鹿で」

九十九さんの目線に合わせようとしゃがみ、安心させようと抱き締める。

「しぃの、やだ……」
「え、抱き締めるんのやっぱやだった?」
「顔、みえない」
「ん"っ」

かわいいかよ。

ていうか過呼吸になったときといい、弱気になったときにこういうしゃべり方をするんですねなるほど。


「てか、僕、いゆさんはもうちょい小さいと思ってた」
「なんで?」

雅裕が聞くと、九十九さんは不思議そうに首を傾げた。

「だって、百八十くらいあるでしょ? 女性にしては高くない?」

びし、と固まった。
聞こえてくるのは雅裕と博貴の笑い声。

「あっはははははは、高校生んときは多かったけどな」
「あー腹痛い、まだ間違われるか」
「え」

九十九さんが、全てを理解したのか、青ざめる。

「もしかして、いゆさんって、」
「……男、だよ……」
「いっそころせ」
「生きろそなたは美しい」