「えーーー、じゃあ教科書48ページ現代語訳してもらおうかな。寝てるやつ当てるぞー。」





「みく!おきなよ、当たっちゃうわよ」
「ん〜?」
気持ちいお昼寝タイムなのに誰よ、起こしてきたの。


「たちばなあ、俺の授業で寝るなんて度胸あんなあー。ほら現代語訳しろ、48ページ」


「はーい……ってえ?!古文?!無理です、無理です!!」
「お前が寝てるから悪いんだろ?」
えええええそんなあ。私古文苦手なのに……。

「みく、落ち着いてよく題名見てみな《源氏物語》よ」
「え…?」
うそ…私の大好きな《源氏物語》だ。大丈夫。源氏物語なら嫌になるぐらい読み込んでるから。

「おーいたちばな、よめねーのかー?はやくy…」


「いつの御世のことでしょう。女御、更衣が数多く使えていらっしゃった時代に、大して身分もたかくないのに誰よりも天皇からご寵愛を受けていた方がいらっしゃいました。
私こそは、と思っていた方も沢山いたため、妬みが酷く御本人は病床に伏せてしまうほどでした。」


「「「「す、す、sすげえええええええ」」」」

「橘……完璧だ。」
「ありがとうございます!」
えへへ褒められちゃった。
さーて気持ちも良いことだしまたねよーっと。




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暁の姫、お目覚めください、朝ですよ。

「んん」
んーよく寝た。なんか《暁の姫》って聞こえたけど転校生でも来たのかしら。

「暁の姫。よく寝ていましたこと。ふふふ可愛らしい寝息でした」
「え?私のこと?」
「ええ、そうでございますよ。どうしましたか?」

……………

「えええええええええええええ!」

「どうなさったのです?おかしいですよ。ご調子がよろしくないのですか?」
「まあ姫君のことですから、ふふふ」
「確かにそうですわね、ふふ」

「あなたは……?」
「何をおっしゃるのです。光の君と暁の姫に仕えているものですよ」
「え、光の君……………?」

いま光の君って言ったよね…?てことは私ー・・・・





源氏物語の世界に来ちゃったの?!?!?