「桜都、頼みたいことがあるの。」

それは美樹が桜都に預けた最後の頼みだった。

もちろん桜都はそれを受け入れた。

美樹に頼ってもらえて、とても嬉しかった。

「前に言ったでしょ?私の好きな人、。
その人、私の幼馴染みでね、きっと私が死んだら
すごく悲しむだろうから、遺言を残しておきたいの。桜都、彼に伝えてくれる?」

美樹はそう言った。

桜都はYesとは答えなかった。

「その人には病気のこと、もう言ったの?」

桜都は聞いたけれど、

「言えないよ、、。」

とだけ美樹は答えた。

そんな美樹の顔は、
今まで見たことがないほど、

とても悲しい顔をしていた。