「違うよ！僕は純粋に医者としてーーー」

ワトソン先生とホームズさんはそんなことを話し続けている。私が思わず苦笑してしまったその時、スマホに誰かからのメールが届いた音がした。

「誰だろ……」

スマホを手に取ると、そこには懐かしい名前があった。アーサー・ホールダーからだ。

「アーサー……」

アーサーとは、通っていた医大が同じだった。明るい性格でよくみんなで遊んだりしたっけ。懐かしい……。確か今は、ノーベリで内科医をしていたはず。

「久しぶり！調子はどう？」

懐かしい人からのメールに、私はすぐに返信する。

「診療所で働いてるけど、昨日から熱を出しちゃって……」

「大丈夫？」

「無理しないでね」

「ありがとう」

アーサーからのメールがとても嬉しくて、私は微笑む。

ホームズさんとワトソン先生はまだ話していたので、私はスマホを置いてもう一度目を閉じた。



それから数日後。熱はすっかり下がり、元気になった私は看護師の仕事をこなす。

ワトソン先生が診察する間、注射器を出したりするのが仕事だ。