「ひっ……!!」

私の口から悲鳴が漏れ、スマホを落としてしまった。ホームズさんとワトソン先生が私の方を同時に見る。

「和香、どうした?」

「顔が真っ青だよ。体調悪い?」

ホームズさんとワトソン先生が心配する。私は体の震えを必死で抑え、なんとか微笑みを作った。

「大丈夫です。スマホを落としてしまっただけです」

ご飯の支度をしたいので、と私は素早く家へと走る。二人と一緒にいればメールを見せてしまうかもしれないから。これは、自分で解決しないと……。

家を放火され、居場所を失って困り果てた私に二人は居場所を与えてくれた。これ以上迷惑をかけるわけにはいかない。

送られてきたメールは、とても恐ろしいものだった。

「お前のことをこれで殺したい」

その文章の後に送られてきた写真は、鉄の処女と呼ばれる拷問器具だった。聖母マリアをかたどったといわれる二メートルほどの大きさの拷問器具だ。中は空洞になっていて、左右に開く扉の内側には長い釘が内部に突き出している。その中に入った人は……。