騙し愛

「それでもあなた、一人暮らしなんでしょ!?女の子の一人暮らしなんて何があってからじゃ遅いのよ!」

「ボディーガードにはならないけど、最近お猫様を飼い始めたから」

相変わらず「女の子なんだから」と言い続ける母親にうんざりし、蕾は飼い始めたシャム猫とアメリカン・ショートヘアーのミックス猫の写真を送る。すぐに既読がついた。

「猫!?あなた、猫を飼い始めたの!?」

「そうよ。名前はバロンって言うの。可愛いでしょ?」

「猫なんて汚らしい!!あなたの綺麗な肌にできものができちゃうわ!早くその猫を捨てなさい!!」

「そんなのできるわけないでしょ!バロンは私の家族なの!それに、ペットショップじゃなくて保護施設から引き取った子なんだから!」

バロンを汚いと言われたことに、蕾は激しい怒りを覚える。バロンは蕾の膝の上でうたた寝をしている真っ最中だ。

「あなたの家族なら、もう決まっているでしょ?智くんと結婚するんだから」