「蕾は私と結婚します。そして、私とともに家庭と会社を支えていってもらいます。……何か言いたいことは?」
「ありません……」
呆然とする母親と智則を無視し、蕾と俊は立ち上がる。玄関まで歩いて来た時、「待って!!」と母親が泣きついてきた。
「あなた、この人と結婚したら東京に住むんでしょ?そうなったら私はこの家で一人ぼっちじゃない!弟の薫(かおる)も大阪に行ったっきり帰って来ないの!近くにいてちょうだい!!」
蕾は言った。
「お母さん、私はお母さんのものじゃないの。お母さんの理想のお人形じゃないの。薫も私も束縛されるのが嫌で実家から逃げ出したんだよ。……年に一回くらいは顔を見せるから」
「そんなのじゃ嫌よ!毎日会いたいの!!」
小さな子どもが駄々をこねるように母親は泣き喚く。蕾がどうしようかと思った刹那、「赤城、すまない」と耳元で蕾がささやいた。そして、訊ねる間もなく蕾の唇に柔らかいものが触れる。
「ありません……」
呆然とする母親と智則を無視し、蕾と俊は立ち上がる。玄関まで歩いて来た時、「待って!!」と母親が泣きついてきた。
「あなた、この人と結婚したら東京に住むんでしょ?そうなったら私はこの家で一人ぼっちじゃない!弟の薫(かおる)も大阪に行ったっきり帰って来ないの!近くにいてちょうだい!!」
蕾は言った。
「お母さん、私はお母さんのものじゃないの。お母さんの理想のお人形じゃないの。薫も私も束縛されるのが嫌で実家から逃げ出したんだよ。……年に一回くらいは顔を見せるから」
「そんなのじゃ嫌よ!毎日会いたいの!!」
小さな子どもが駄々をこねるように母親は泣き喚く。蕾がどうしようかと思った刹那、「赤城、すまない」と耳元で蕾がささやいた。そして、訊ねる間もなく蕾の唇に柔らかいものが触れる。


