騙し愛

今日は寝坊したため、お弁当も持って来ていない。外に食べにいくことになる。何を食べようか蕾は考えていた。お腹が空くと、食べ物のことしか考えられない。

パスタは昨日食べたから、ピザ?でもそういう気分じゃないしな〜……。お寿司は高いし、ハンバーグ?それとももうコンビニでサンドイッチを買う?

そんなことを考えながらパソコンを操作していると、「赤城」と俊に呼ばれた。

「はい!」

「午後の会議の資料のことでちょっと……」

俊に手招きされ、蕾はドキドキしながら俊のデスクへと向かう。何かミスをしてしまったのだろうか、と顔が強張った。

「ちょっと別室で話をしていいか?」

資料を手に俊に言われ、蕾の緊張はさらに増した。他の社員たちがジロジロと蕾を見つめる。その目は、「えっ!?社長のお気に入りなのに!?」という驚いた様子の目だった。

「……はい」

蕾は頷き、俊に連れられる。一歩を踏み出す足が重く感じた。

俊が蕾を連れて来たのは、午後に使う予定の会議室だった。もちろん、誰もいない。