高野と行為を終えて、高野の腕枕の中で私はまた心の痛みを少し感じた。



高野には妻も子供もいる。

こちらかは聞かない限りはプライベートな話は一切しない。


それはお互いそうだ。


高野を自分のものにしたいとは、思わない。

会える時に会って、お互いのいい部分だけを見て、セックスをする。


意味はないし、不毛だがお互いがその時間を必要としていた。


そんな意味では、不毛とはいえないが。



ただ、このぬくもりはなくしたくない。


今の私には、心を少しでも寄せることができる人間は高野しかいないのだ。