顔や体が熱くなる。


せつなげに眉を寄せて私を見つめる高野の顔を引き寄せ、私はキスをした。



舌と舌が絡み合う。


いつもより少し激しく貪り合う。



駐車場に置かれたままの車の中で、人の来る気配を感じた私達は我に帰る。



名残惜しく行動を止めた。


「真樹、ホテル行こう」


高野は、言った。



私は小さく頷く。



独身となった立場で、高野に抱かれるのは少し心が痛んだ。


でもそれは、一瞬の思いで。




一応、そんな痛みを私は気付かなかった事にした。