私達はビールと何品かのつまみを頼み、互いの近況を話した。
役所勤めの課長という立場の高野は、私から見ると羨ましい境遇だと思っていたが、意外にいつも残業で忙しそうだった。
私と会う時は早々に仕事を切り上げて会いに来てくれる。
家庭での高野のを想像した事はないが、なんとなく予想はついた。
「真樹は、旦那さんとは上手くいってるの?」
突然の高野の質問にドキッとした。
平静を装い、私はいつも通りだよと答えた。
離婚したからといって、高野と一緒になりたいとかは考えもしないし、思った事もない。
ただただ、高野は私の癒しの存在。
高野にとっても、私は可愛い愛人で。
それでいいのだ。
