こんな事を繰り返す意味はないのは、分かっている。
満たされないし、何の解決になるわけでもない。
自分が、駄目な女になっていくのを感じるだけ。
自虐的だ。
私は思う。
トモの二歩後ろを歩きながら、彼の痩せた背中を見て思う。
私は自分から抱かれに来たのだと。
好きでもない、男。
友達でもない、恋人でもない男。
でも、今はそれでよかった。
下手に相手に感情が入らなくて済む。
そうだ、それが楽なのだ。
感情が入らない分、傷付かなくて済む。
トモに連れて来られたのは、一軒のショットバーだった。
私はてっきりホテルへ向かうものだと思っていた。
気負っていた分、力が抜けた。
「ここ、割りと気に入ってるんだよ。軽く飲もうか」
