夜の駅は好きだ。

私は深呼吸して、ベンチに座った。

シンプルなシャツブラウスにデニムミニを穿いた私に、何人かの男が声を掛けてきた。

私は適当に取り繕い、笑顔でかわす。

少し、楽しかった。


突然に、誰かが横に座った。


ちらりと見ると、トモだった。


「こんばんは、待った?」

「さっき来たとこです」

私は答えた。


「さっきから、ナンパされてたね。真樹さん、目立つし」


「見てたなら、すぐ声掛けてくれたらいいのに」


「綺麗な人いるなぁと思ってたら、真樹さんだったの。慌てて来たよ」

言って、トモの目線は私の足へ。

「真樹さんの足、綺麗だね」