沢山の書き込み。
愛人募集や、一度限りの相手募集、ナンパ目的…
選ぼうと思えば誰だっている。
そこにただ、心はないだけ。
高野は本当にアタリだった。
きっかけはサイトだが、そんなきっかけを気にさせないくらいの相手だった。
私は、何かを物色するように黙々と書き込みを次々と読む。
ある、ひとつの書き込みに目が止まった。
『バツイチ、独身の独り暮らしです。色々と語りあえて、価値観の合う人を探しています』
価値観、の言葉になんとなく惹かれた。
写メはないが、そんなことより文章に惹かれた。
私は返信をする。
『私も価値観の合う方を求めてますよ。良かったら返事をお待ちしてます』
5分ほどして返事がきた。
当たり障りのない丁寧な返信を気に入り、すぐに自分のメアドを教えてそこに送るように伝えた。
すぐにメールが届く。
簡単。
会って気に入らなければ、それっきりにすればいい。
顔の分からない相手に私は少しばかりの楽しみを感じていた。