私は旦那を好きだった。
子供のような精神の彼を、しょうがないなと思う自分に酔っていた所もあるのかもしれない。
無口な人だ。
思っている事の半分も言えやしない。
溜めて爆発する。
その結果が暴力だった。
初めて暴力を振るわれたのは、結婚してまもなくの事だった。
いつものごとく連絡をしない旦那に、私はイラついていた。
電話をしても出ない。
「なんでっ?どういう事っ?」
帰ってきた旦那にイラつきを浴びせた。
「パチンコしてた」
と一言。
「電話鳴ってる事くらい、分かるよね?音は聞こえなくても、いつもバイブにしてるじゃないっ」
私の声が大きくなった。
今までだって、不満をなるべく言わないようにしてた。
ウザく思われたりするのも嫌だったし、ジタバタして、あれこれ詮索するような真似だけはしたくなかった。
プライドだった。
「うっせーなー」
その一言にカチンときた。
連絡ひとつもできないで、待つ方の身にもならないで!
「やましい事してるから、連絡できないんじゃないの?」
何気無く言った私の一言。
瞬間、旦那の目が変わった。