「もう朝?」

瞬くんが寝ぼけた声で呟きながら、枕元をごそごそとしてスマホで時間を確認する。
そして私をじっと見た。

「結衣、朝の10時だよ」

「えっ!10時?!」

そういえば部屋の電気は点いていないのに明るい室内だ。完全に陽はのぼっている。

「寝すぎ」

「ほんとにね」

少し寝癖のついた髪がなんだか可笑しくて、二人でクスクスと笑った。

「体、大丈夫?」

「うん」

「無理してない?」

「うん」

優しく気遣ってくれることも嬉しい。
心がほわほわする。

「それにしても結衣、可愛すぎた」

そう言ったかと思うと、瞬くんは軽くキスをしてくれる。

「結衣がここにいることがすごく嬉しい」

「うん、私も」

ぎゅっとしがみつくと、瞬くんは更にきつく抱きしめてくれた。応えてくれることが堪らなく嬉しくて、自然と顔がにやけてしまう。

と油断していると、さわさわと背中を擦られて私は体をびくつかせた。

「またしたくなった」

甘く囁かれて、その誘惑にゾクリとする。
優しい手つきで体のラインをなぞられるだけで、甘い吐息が漏れた。

いや、だけど、だけどっ。