(優希side)
さっき紗羅は北川組組長に撃たれて意識を失うと、最優先で搬送された。
信さんが同行したから俺らは行けなかった。
全員その場に突っ立って何も言わない。
これが終わったら...明日お前の学校に転入するって...驚かせようと思ってたのに。
仲間としてこんなに大切な人だと思っていたから、危険な状態になると平常心は保てない。

優「なぁ...千夏。あいつ...もしかしたら─」

ーパンッ。

痛てぇ...ついネガティブ思考になってポツリと言うと千夏が頬を叩いてきた。

千「お前がそんな事言ってどないするんや!副総長やろ!ただでさえ皆自分ら責めてんで。自分が間に入ってればって...それでも紗羅は自分の身体張って親父を守ったんや。優希、もう二度と『もしかしたら』なんて言ったらあかん。俺が...走り出すのが遅かったんや」

千夏はいつも周りを見ている。
敵の動きも目を離さず見ていたからこそ走り出すのが遅かった自分を責めている。

千「俺がもっと早く出てれば...あいつじゃなくて済んだんや!」
優「...千夏。ごめん、俺...。皆今日は解散だ後でメールする」
4「「分かった」」

俺らは一度解散した。
(優希end)