直兄が必死なのは母さんと私が一緒だから。
今は無いけど母さんもしょっちゅう倒れていた。
そのせいで母さんは一度おかしくなった。
あれはまるで別人だった、暴れる母さんを直兄は怖いのに必死で止めようとしていた。
父さんはその時に限っていなかったから...『俺は長男だから』って、止めようとしていた。
私は一度だけ暴れる母さんに殴られた、全治2週間の大怪我をした。
直兄は私を失うのが怖いらしい...何でかは知らないが本人が言っていたから間違いない。

女「買い出し組、看板に使う絵の具お願い」
男「こっちもあるぞー」

私のしんみりした気持ちを知ってか知らずか、明るい声で言う。

紗「...ッ。うん!行ってくる!」
直「紗羅...車、出すから乗ってけよ。男子4人も」
紗「いいの?じゃあ、乗る!」

直兄の車に乗って近くのホームセンターに向かった。