「仕事ばかりしていたら、いつか体を壊しちゃうわよ?」

そう言いながら、ユキナはコーヒーとサンドイッチをジェファーソンに渡す。ジェファーソンは「あ、ありがとう……」とそれを受け取った。

「あと少しで終わる。これが終わったら帰るよ。ユキナは?」

「私は……もう帰ってもいいんだけど……」

ユキナはジェファーソンを見つめる。その黒い瞳を見ていると吸い込まれてしまいそうで、ジェファーソンは顔をそらした。しかし、ジェファーソンの両頬をユキナは優しく包んで目を合わせる。その行為に抵抗することはできなかった。

「ユキナ、報告書を書かないと……」

「私も手伝うわ。その代わり、今だけこうさせて」

ユキナの顔立ちは幼い。未成年と言っても通じるだろう。しかし、ジェファーソンの目の前にある豊かな胸やふわりと漂うシトラスのコロンの香りが、ユキナという女性を意識させていく。

ユキナの手など簡単に振り払えるはずだ。それでもジェファーソンはユキナに触れられ続ける。