「ち、ちがうんだよあか子!!
オイラはお前を
探してたんだよ!!」
「それを早く言いなさいよ。」
もぉ~っと
ふくれあがっている
あか子の背中から
やっと降りることができた。
オイラの体まで何だか
アカくさい。
「そうだ!!
こんな場合じゃない!!
大変なんだ
あか子!!
あの・・・あのハイターが
明日プール排水口に
くるんだ!!」
「なんですって!?
次の回までは
1年以上あるはすよ!!」
「でも本当なんだ。
明日の朝に・・・。
みんなに知らせなきゃっオイラ」
「前回のハイターで
逃げ遅れた
コケ村さん一家、
一族が半壊だったそうよ。
急いでみんなのところに
行かなくちゃ!!
さあ、私にのって!!」
オイラはあか子の背中に
飛びのった。
「そ~~~れいっ!!」
あか子は走り出した。
とてもたのもしい背中。
いつもは嫌いな臭いも
今はオイラを
落ち着かせる
エッセンスなんだ。
あか子の存在は
気付けば
天とう虫よりも
大きな存在となっていた。