たまには歩いて帰ろう!
高層マンションの天井裏を
歩いていると
声が聞こえた。
・・・これは掃除業者!!
「最近プールの排水口が
かなり汚れてんだって!
だから5年に一度の
ハイターを使って、汚れをとる
行事をしようと思う!
決行は明日の朝・・・」

「やっばぁぃぜ!」
葉太郎は走り出す、
「みんなに知らせないと!
オイラたちの番地
流れちゃうぞ!」
ハラハラドキドキの展開だ。
「葉太郎、そんなに急いでどうしたの?」
あか子だ。
「お茶の葉が落ちていたから
たどってみたら
・・・やっぱりあなただったのね。」
ふりかえってみると
オレの歩いてきた道に
目印のように茶っ葉が
残っていた。
ま、まずい・・・!!
「お茶っ葉を出しすぎると
体の力がぬけちゃうんだよ
・・ああ・・」
するするとその場に
しゃがみこんでしまった。
そういえばさっき
ばあちゃん家で排出したとき
排出口を締めるの
忘れてたな~~
なんて考えていると
あか子が
ぬるる手でオレを抱えた。
「急いでいるんでしょ!?
私が連れてって
あげるえわよ!」
あか子の背中は
ぞうきんの匂いがした。