1.君に恋した日
私は未奈。学校に行きたくない。今日はよりによって席替え。席替えはすっごく嫌い。それに嫌いなのには一つ理由があって…
「おはよ!未奈!なに暗い顔してんだよ!」
こいつは幼なじみの秋都。秋都のせいではないんだけど嫌いな理由に関わってくる人。
「別に。暗い顔してる自覚はないけど。」
「冷たい奴だなー。ま、そんな未奈も嫌いじゃない。」
「どこから目線だよ…はぁ…先行くね。」
「あっ!逃げんな!」
そろそろ嫌いな理由を説明しよう。私は秋都と同じクラスになると席替えでだいたい席が近かったり、隣なのだ。それによって秋都のファンクラブが私のことをよく思わず、先生にお願いしてるとかあることないこと言ってくる。もちろんそのことは秋都には言わなかった。
[席替えするぞー] 先生が声を上げて言う。[今回はくじ引き。同じ番号同士で隣なー]
ザワザワする中、くじを引き席に戻る。私は5番だった。どこからか
[秋都くんは何番なの?]と言う声が聞こえる。
「ん、5番だよ。あ、未奈何番だった?」
唐突に話を振られビクッとする。ファンクラブになんか言われることを承知で
「5番」と一言だけ言った。
冷たい視線に刺されるが放置した。
(あああ、もう!なんで秋都と隣なんだよ!好きだからいいにはいいのかな…?いやでも!……こんなこと考えても仕方ないか…)
大人しく諦めることにした。言ってなかったけど私は秋都が好きなんです。