人魚のお姫様

頭や体を洗い、エラは浴槽の中へ入る。家の浴槽よりもずっと広く、エラはこっそり泳いでいた。人魚のためか、泳いでものぼせたりしない。

エラがお風呂を楽しんでいると、ガラッとお風呂の扉が開いた。エラは「誰ッ！？」と恐怖を覚える。今、自分は完全に人魚の姿だ。

「俺だ。……まだ人間にはなれていないのか」

そう言い現れたのは、腰にタオルを巻いたディランだった。エラは恥ずかしくなり、ディランに背中を向ける。

「何だ？恥ずかしがる必要はないぞ？」

ディランは背後からエラを抱きしめる。エラは「きゃッ！」と悲鳴を上げた。鍛えているのか、ディランの体には思ったよりも筋肉がついている。

「お前、肌が柔らかいな……」

ディランはエラの体のあちこちにキスを始める。ディランが触れるたびに、エラの体はびくりと揺れる。そして、ディランはエラの唇にもキスを落とした。

「んんッ！」

何度もディランはキスをする。しかし、お湯の中にある足は人間のものだ。