ありったけの恋心をキミに

「そう言えば……佐藤くん、甘いもの嫌いじゃなかったんだなぁ」


マフィンを食べている時にくれたメッセージに目が留まり、ふと、そのことを思い出した。

あれを渡した時、すんなり受け取ってもらえなかったんだよね……。

甘いものが苦手なのかなと思っていたけれど、最後はちゃんと受け取ってくれたし、2個も食べてくれていた。


「……あれ?」


なら、なんで、受け取ってくれなかったんだろう?

そう考え始めた私の頭に、ふと、あの日の佐藤くんの言葉がよみがえる。


『付き合うのとか、そういうのを期待しないなら』


それは告白してフられた時の、好きでい続けたいと願った私に、佐藤くんが出した条件だ。


「もしかして……期待してるって思われたのかな」


結局は受け取ってもらえたのだし、食べてももらえた。

だから、そう悩む必要なんてないのかもしれない。でも、さっきトーク履歴を読み返して、少し気になったことがある。


【調理実習では、ひとり3個までって決まってたの。だから、全部佐藤くんに食べてもらいたくて……】


これを送った後、急に素っ気なくなったの。

このメッセージ、読み方によっては好きという気持ちを伝えすぎているのかもしれない。