『借りて帰らないの?』
本を元の場所に戻した時、佐藤くんからそう言われた。
『あ、実はこれ……』
家にも同じものがあるの、と返すつもりだった。
けれど。
『俺はこれを借りるし、大宮も気に入ったものがあるなら借りてみれば? 返す時はまた一緒に来ればいいじゃん』
佐藤くんが次も会えるようなことを言ってくれるから、また一緒に過ごしたくて、私は別の参考書を手に取った。
司書がいるカウンターへ向かう時、佐藤くんは館内を見回して穏やかな表情を浮かべていた。
『落ち着くし、ここなら勉強もはかどるよな』
この1時間、佐藤くんが読んでいたのは小説だ。勉強と聞いて、それは私の過ごし方のことを言っているのかなと思った。
その瞬間だった。
ずっと胸に引っかかっていたお母さんへの罪悪感が、すうっと軽くなったの。
『……うん。すごく、すごくはかどったよ!』
そうだ、私はちゃんと勉強をしていたんだから堂々としていよう。そう思えたの。
佐藤くんといたり、勉強以外のことをしていると、胸にうしろめたさが宿ったような、悪いことをしている気分になってしまう。
でも、ちゃんと勉強していれば、胸を張っていられるよね? やりたいこともできるよね……?
本を元の場所に戻した時、佐藤くんからそう言われた。
『あ、実はこれ……』
家にも同じものがあるの、と返すつもりだった。
けれど。
『俺はこれを借りるし、大宮も気に入ったものがあるなら借りてみれば? 返す時はまた一緒に来ればいいじゃん』
佐藤くんが次も会えるようなことを言ってくれるから、また一緒に過ごしたくて、私は別の参考書を手に取った。
司書がいるカウンターへ向かう時、佐藤くんは館内を見回して穏やかな表情を浮かべていた。
『落ち着くし、ここなら勉強もはかどるよな』
この1時間、佐藤くんが読んでいたのは小説だ。勉強と聞いて、それは私の過ごし方のことを言っているのかなと思った。
その瞬間だった。
ずっと胸に引っかかっていたお母さんへの罪悪感が、すうっと軽くなったの。
『……うん。すごく、すごくはかどったよ!』
そうだ、私はちゃんと勉強をしていたんだから堂々としていよう。そう思えたの。
佐藤くんといたり、勉強以外のことをしていると、胸にうしろめたさが宿ったような、悪いことをしている気分になってしまう。
でも、ちゃんと勉強していれば、胸を張っていられるよね? やりたいこともできるよね……?



