ありったけの恋心をキミに

そしてその翌日。

次の授業に備えて視聴覚室へと移動する休憩時間、私の足取りはずいぶん重かった。

日が変わっても、昨夜のお母さんの言葉が頭に残っている。

佐藤くんの教室の前を通らないと視聴覚室へはたどりつけない。普段なら浮き足立って歩く道のりなのだけれど、今日は気が乗らない。

朝もばったり佐藤くんと顔を合わせたのに、お母さんのことがあったから上手に笑えなかった。

あとになって「挨拶をやり直そう」と思い、慌てて元の場所へ戻ったけれど、彼はもう他の女生徒といて、話しかけるチャンスはなかった。


「……はぁ」


これ、今日何度目のため息だろう。昨夜からずっと、胸の奥がモヤモヤしたままだ。