ありったけの恋心をキミに

「佐藤くんと交換したよ!」


リストに増えた名前を未希に見せた。


「おおーっ、やるじゃーん! お姉ちゃん積極的だね!」

「えへへっ」


拍手までしてくれるから、嬉しくて頬がゆるむ。


「電話とかしてるの?」

「し、してないよ! 今日教えてもらったばかりだし!」

「なら今夜かけちゃいなよ。『声聞きたかったの~』って」

「ええっ、そ……そんなぁ! あっ、でも、用がある時しかかけちゃ……」


冷やかすように言われ、つい声が大きくなった。……たぶん、それがよくなかったんだろう。


「未華、ちゃんと勉強してる?」


それまで静かだったお母さんが、突然、割り込んできた。

冷蔵庫の中を見ながらだから、顔はこっちを向いていないけれど……。


「成績が落ちたらスマホ没収するからね?」


なんだかきつい目つきで睨まれているような気分。


「……うん」

「未希も遊んでないで、勉強くらいしなさい!」

「は~い」


お母さんは未希にも注意するけれど、その言葉にとげとげしさはない気がする。


「じゃあ、先にお風呂入るね」


これ以上言われないよう、すぐリビングから離れた。

数分後、着替えを持って浴室へ向かうと、リビングから未希の笑い声が聞こえてくる。まだテレビを観ているのだろう。


「私……もう高校生なのに」


つぶやいたのは本音。お母さんに対する不満だった。

お母さんの気持ちもわかるから言い返せないけれど……。