ありったけの恋心をキミに

私と違って未希は恋愛にとても詳しい。それに、いくつもの作業を同時に進められる器用なところもある。

普段はバレー部の練習で忙しく、勉強をするヒマがないと言っているけれど、テスト前に少し復習するだけでそこそこの点数がとれてしまうの。

部活をしているのに同級生の彼氏までいる。普段から髪型や服装に気を遣っていて、とてもおしゃれなんだ。

この前、そんな妹に『好きな人との距離が縮まらない』と相談したら、少女漫画を貸してくれるようになった。


「にしても、家でスマホを持ち歩くなんて珍しいね。お姉ちゃん、いつもカバンに入れっぱなしなのに……」


私の手元を見た未希が首を傾げる。


「ああ、これは……」


スマホの連絡先リストを開くまでの間、私は今日起きた出来事を振り返っていた――。




『また話したいなぁ……』


今日一日、私はそう期待して、休憩ごとに佐藤くんの様子を見に行っていた。

移動の時はあとを追い、話しかけるタイミングをうかがっていたんだけれど。


『……なんか用があるなら、これに連絡して』


物陰に隠れていた私に気づいたようで、彼はそばに来て、ため息をつきつつも連絡先を教えてくれたの。