ありったけの恋心をキミに

しばらくリビングのソファに腰かけて、未希と漫画の話をしていた。


「お姉ちゃん的にこれはどうだった? 切ない系の物語だけど」


未希が見せてきたのは、両想いだった男女がすれ違いを繰り返し、のちに別れてしまうという物語の漫画。


「“切ない”……?」


その言葉、普段からよく耳にするけれど、どういう感情なのかイマイチわからないんだよね……。


「うーん、別れてしまってもまた付き合えばいいんだなぁって、すごく勉強になったよ……?」


恋人関係が終われば、相手との未来はもうないと思ってしまうはず。

でも、この物語の主人公は別れてからも相手を想い続けていたの。

私はこの漫画で“復縁”というものを学んだ。


「……“勉強”ねぇ」

「ん?」

「うーん……切なくならなかったか」


感想を言ったら、未希はぎこちなく微笑んだ。


「じゃあ、こっちは? この漫画、それぞれの駆け引きがすごくおもしろかったでしょ?」

「“駆け引き”……?」

「あっ、もうやめよう、この話は。お姉ちゃんはまだ駆け引きなんて知らなくていい!」

「ん? うん……」