「…けど走り回ってるから細いんじゃね?」 ………えっ? グイッと、私の手首が尚くんに持ち上げられた。 「うわ、ほっそ」 そして尚くんはその太さを確認するように、握る。 「なっ…!」 突然のことに、私の心臓は大きな音を立てた。 顔を真っ赤にした私に尚くんは笑って。 笑ったかと思うとすぐに、意地悪な顔をした。 「…またドキドキしちゃった?」 少し低い声でそんなこと言うから。 私の心臓の音はどうしようもないくらい、速くなる。