立ち止まった私を置いて、尚くんはスタスタと歩いていく。 私は距離のあいた尚くんに届くように、叫んだ。 「っ尚くん!今度は私が美味しいタピオカ屋さん探しておくね!」 走って追いつくと。 「…ん」 返ってきたのは、素っ気ない返事。 だけど私は、見逃さなかった。 尚くんの耳がまた少し、赤く染まったことを。