「……はい。ごめんなさい。」 本当にごめんなさい。 反省はしているんです。 私はしょぼんと肩を落とし、2つ並んだ空席の、右側に座った。 まだ空いている左側が、尚くんの席だ。 ありえるわけない。考えすぎだ。 私に女の勘的なものが働くわけがない。 だけど考えれば考えるほど、さっきの生々しい会話が尚くんと誰か、のものな気がして仕方ない。 …だって、尚くんならありえそうだもん。 大人も放って置かないんじゃないかなってくらい、整った顔をしているから。